2015年8月29日土曜日

投資能力とトレード回数

■投資能力とトレード回数の関係
 「8月は夏枯れの時期」

 日経平均が20500→17160→19140と動き、最大効率でロンガーとショーターを殺しにきた8月となりましたが、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか?散々「ボラがない、材料もない」と言われ続け、このまま終わるのかとおもいきやまさかのクラッシュ発生→急速リバと、投資家達を永遠の夏休みに追い込むような展開が来ており、「やっぱり株怖い」が今年の合言葉になりそうです。

 久々に書くネタを思いついたので、今回は「投資能力とトレード回数の関係」について書いてみようかと思います。割りと似たようなことをテーマに記事を書いている方は多いのですが、見かけるのはファンダ派の方が「トレード回数が多いと手数料がかかる」「いい銘柄なら目先の株価の動きに動揺せずホールドする」的な内容が多く、個人的にはちょっと違うなーと思ったので題材にしてみました。

 なお、もうちょっと真面目に考えた場合、投資に関わる判断というのは、ポジションを取るのか取らないのか・量を減らすのか増やすのかといった、実際にトレードをするの手前の判断のことも含めるべきなのですが、そこまでいくと話が長くなるので今回は簡略化して考えてみます。

 今回は、「試行回数が多くなれば期待値に収束するんだから、能力に合わせてトレード回数を増やしていった方がいいよね」というお話になります。


■回数が多いと期待値に収束する
 ネットなり論文なりで検証されているケースですと、そもそも手法・時間軸・当時の状況等が違いすぎていて、「そりゃ永遠に噛み合いませんがな(;・∀・)」という話になります。なので、本稿ではもっとシンプルに考えたいと思います。ぶっちゃけ、手数料なんて今だとポジが-0.1%になった方が損失が大きいですし。

 とりあえず、仮想のベテラン投資家Aさんの期待年間リターンを+20%、初心者投資家Bさんの期待年間リターンを-20%とします。この場合、単純な確率ベースで考えれば、Aさんのリターンは+ですがBさんのリターンは-で終わります。しかし、これはあくまでも試行回数が多く、ある程度収束した上での結果となりますので、トレードの回数が少なければこうならない確率が高くなります。仮に、1年に1回だけトレードをするという条件であれば、Aさんのリターンが-、Bさんのリターンが+となる可能性はかなり高くなります。

 従って、期待リターンが+となる投資家であれば、トレードの回数は多ければ多い程リターンを確保しやすくなり、一方で期待リターンが-の投資家は、トレードすればする程損失を確保しやすくなります。こういった前提で考えた場合、トレード回数の是非は、投資家の投資能力という前提があって初めて成り立つものであって、単に少なければいいという話でもないかと思われます。
 特に、ロングオンリーであれば、何年かホールドしていれば、1回くらいは含み益で終わるチャンスがあるでしょうから、とりあえずホールドして判断を先送りにしていれば、銘柄選択が間違っていたも運良く+で終わる可能性も高くなります。

 要は「上手い投資家はどんどんトレードの回数を増やした方がトータルでの利益は安定するが、下手な投資家はトレード回数を減らして神様へのお祈りの回数を増やした方が期待値が高い」という話ですね。
 以上、損失してばかりの投資家は、ディスプレイの枚数を増やす前に神棚を設置することから始めるべきというお話でした。

2015年5月26日火曜日

死にゆく手法と蘇る手法:Part4

■地合いは変わる
 では次に地合いへの優位性について考えてみましょう。

 こちらは大雑把に言うと、市場全体のトレンドと手法の方向性が一致しているかどうかという話で、要は「市場全体が上昇トレンドなら、ロングメインの手法なら大抵勝てる」ということです。ひたすら下げ続けるような下落市場では、どんな株であれロングしていれば大抵ドローダウンを受けます。上手くやれば指数よりは下げずに済むかもしれませんが、リターンを期待するのは難しいでしょう。私達のリターンは、手法の良し悪しや銘柄選択だけではなく、市場の方向性によって成り立っている部分があります。

 もうちょっと真面目に話をするなら、株価のボラティリティの確率分布がどちらに傾いているのかという話になります。10-20年位のスパンでみれば、株価のボラティリティの確率分布はある程度正規分布に近い形になるかもしれません。しかし、数年・数ヶ月単位であれば間違いないく偏った確率分布になります。
 従って、地合いへの優位性というのは、特定の確率分布下における、その手法が持つ期待値と言っていいかもしれません。そのため、手法が前提としている確率分布から剥離した状態であれば、今まで同じことをやっていてもドローダウンが続くという状態が発生します。





■地合いが分かれば苦労はしない
 こちらの優位性はその時の地合いによって変動するものになりますので、どうしても再現性が低くなってしまいます。また、そもそも「今の地合いはどうなのか?」という質問に対して、明確な回答ができないという最大の問題があります。そこが分かるなら、投資家の悩みの7割くらいは解消されるのですが、残念ながらこれについては完璧な回答はありません。
 そのため、投資家が取れる手段としては概ね以下の4つになります。

  A.市場の方向性は推測できないとして、どっちに転んでもいいようにする
  B.推測が当たった時のリターンを最大化できるようにする
  C.トレンドの転換を感じたらすぐに手法を切り替える
  D.上手くいくよう神様に祈る

 一応、フォワードテストを継続して行い続けることである程度補完はできますが、それでも完璧ではありません。個人的な印象としては、上手いトレンドフォロワーやモメンタム投資家の方は、この辺りの切り替え精度の高さ(手のひらの返すスピード)で勝っている印象があります。
 また投資歴の長い投資家は、手法がいつか機能しなくなるという経験がありますので、手法の切り替えや強弱を直感的に判断している部分があるように思えます。そういった方は、手法を変えないにしろ、無理をせずにまずはポジションを減らすという行動に出ます。そのため、損失を最小限に抑えて次に機会を待つことができ、最終的に勝つという結果に繋がっているのではないでしょうか


■勝ち続けるために
 以上、つらつらと書いてきましたが、思いの外長くなって自分でも驚いております。手短にまとめるなら「同じ手法を、同じように運用していたらいつか負ける」というだけの話で、投資歴の長い方には常識的な内容ではないでしょうか。
 アローヘッドの導入でスキャ系が苦しくなり、アベノミクスによってブレイク系の手法が復活したように、その時々によって有効な手法は変わっていきます。そしてこういった循環は昔から常に起き続けていることであって、特段珍しいことではありません。

 私達の目標は「勝つこと」ではなく「勝ち続けるor勝ち逃げする」ことですから、こういった変化に対して常に付き合い続ける必要があります。つまるところ、「自分の手法を市場の変化に合わせてフィッティングする」ことが投資家の最大の仕事ではないでしょうか。
 1つの手法に拘りを持つことも重要ですが、その場合にはより繊細な運用の仕方をしないと、ドローダウン期に退場させられる可能性があります。手法やポジションの取り方を変えないということは、負けるときにはどこまでも負け続けます。バリュー系投資家が死ぬのは、割高な銘柄を掴んだ時ではなく、割安な株が更に下がっていく時です。

  本稿を読まれた方で、勝ち続けられるようになった方が1人でもおられましたら幸いです。また、ちゃんと勉強したいという方がおられましたら、五月先生の「東方マネー」を読まれることをお勧めします。この本は、基本的な手法の話から、投資家として生きていくために必要な内容も掲載されておりますので、一度目を通す価値はあるかと思います。

2015年5月23日土曜日

皆大好きバフェットニキ

■皆大好きバフェットニキ
 今回は、正真正銘益体もない話です。
 「本屋に書籍が並んでいるランキング1位(当社調査)」で、皆が大好きなバフェットニキ(以下、ニキとする)ですが、個人的な評価と一般的な評価が結構違っていたのでつらつら書いてみました。

 「投資の神様」とか「偉大なるバリュー投資家」とか、おおよそ皆が適当につけたであろう渾名をたくさんもっているニキですが、大雑把にまとめると「凄いバリュー投資家(長期)」という感じに落ち着くかと思います。
 一方で、私個人の評価としては「凄い事業家」という評価で、世間様とは若干違ってたりします。なんで「投資家」じゃなくて「事業家」かと言いますと、評価している点が投資対象ではなく、構築したビジネスモデルの方だからです。


■舎弟企業からせしめる上納金=投資パワー
 なんで「投資家」ではなく「事業家」として評価しているのと申しますと、個人的な見識としてニキのリターンの源泉は「企業が保有する現金」+「保有企業からの上納金」だからと思っているからです。

 ざっくり言うと、「舎弟企業が保有する現金」を株式投資に回すことで、擬似的にレバレッジがかかった投資が可能となります。再保健事業で保有するプール金を投資にあてている話は有名ですが、他の保有企業でも現金は全てバークシャーに預けるようにしてます。なので、元手以上の額をぶち込んでいるのが実情です。
 これに加えて、「舎弟企業からせしめる上納金(別名:配当)」という定期収入による無限ナンピンを繰り返すことで、株式市場がクラッシュしても株を買い続ける基盤が出来上がります。信用維持率とかありませんし、保有企業から絞れるだけ絞った資金で理論上の無限ナンピンが可能になります。

 この2つの要素によりニキは「暴落があったら死ぬほど買って、戻ったら利確」という、投資家なら誰もが憧れる基盤を手に入れることができます。


■舎弟企業に求めるもの(投資先への条件)
 ニキの投資先ですが、要は「他社に対して優位性を持ってて、かつ長期的にそれが維持できるところ(意訳)」という特徴になるかと思います。ただよくある書籍では省かれているのですが、それ+「追加の設備投資が少ない」という特徴もあります。というか、「設備投資させない」レベル。

 割りとこの部分が重要で、追加の設備投資が少ない事業形態であるほど、ニキへの上納金が増えます。そして、優位性がある企業であれば、アメリカの広大な土地と豊富な人口を背景に安定した成長が可能です。アメリカは過去、長期間に渡ってマクロ的な成長を遂げてきました。それがニキの手法+定期的な暴落と組み合わさることで、アホみたいなリターンに繋がっている部分があります。日本だとこうはならなかったでしょうね。

 一般的な書籍ではよくニキの投資条件だけを取り上げていますが、ニキの手法は投資先をコントロールできることが前提になってますので、単に投資条件だけをパクろうとするとイマイチずれた結果になります。実際に、「事業家」としての側面から投資条件を見直すと、「あーもしかしてそういうこと?Σ(゚Д゚)」という条件がボロボロ出てきます。
 
 ニキが投資家として有能であることは事実ではありますが、それ以上に「勝つためのビジネスモデル」を徹底して構築している点やそのやり方からすると、「事業家」という評価の方が個人的にしっくりきますねって話でした。

2015年5月21日木曜日

死にゆく手法と蘇る手法:Part3

■レミングの行進
 まずは、手法自体の優位性(内部的優位性)について考えてみましょう。こちらは何らかの理論・仮説に基づいた優位性であり、それ故再現性が高くなっています。一方で、その再現性の高さから、模倣しようとすればある程度できてしまうという欠点があります。
 この優位性の推移については、下記の図をイメージして頂けると話が早いかと思います。



 ピークの位置に関しては、手法によって上下左右動くことになりますが、基本的にはこういった凸型のグラフになるかと思います。
 左右の端にいくにつれ優位性が低下していますが、これは 「誰も同じことをやらない」場合と「皆が同じことをやる」場合には、手法の優位性が消失していくという話です。

 「誰も同じことをやらない」場合ですが、要は銘柄に対する自分の評価と、他の投資家の評価が全く異なるという状態です。手法の独自性は大切なのですが、株価が期待した方向に動くためには、他の投資家も自分と同じ方向に資金を入れる必要があります。
 従って、他の投資家の判断と被っている部分が少なすぎると、「いつまでたっても期待した方向に株価が動かない、もしくは逆行していく」という状態に陥りやすくなります。

 では「皆が同じことをやる」場合はどうでしょうか。こちらはイメージしやすいかと思いますが、要は皆が同じことをやれば過当競争に陥るという話です。競争が激しくなるにつれ、他の投資家よりも一歩早く行動しないといけなくなり、最終的にはリターンそのものが無くなった状態となります。競争が激しい業種で利益率が低くなるのと同じ問題ですね。

 この辺りの考え方については、手法がどうこうと考えるよりも、カードゲーム等でのメタゲームを想像して頂いた方が話が早いかと思われます。

 名だたるメンバーを集めたLTCMも、手法をパクったファンドが大量に現れたことでアービトラージ戦略の優位性を失いました。現在であれば、プレスリリースに合わせて買いを入れる手法が過当競争に陥っています。どんな手法であれ、皆が同じことをやろうとする様は、崖に向かって全員で突進する行為に似ています。

2015年5月20日水曜日

死にゆく手法と蘇る手法:Part2

■リターンの源泉
 色々な手法があるのはさておき、ではそもそも手法のリターンというものは何に基づくものなのでしょうか?個人的な考えとしては、内部的な要因と外部的な要因の2つに分けられるのではないかと思います。

  手法自体の優位性(内部的優位性):
   -手法自体が持つ絶対的な優位性
   -何をやっているか説明が可能
   -再現性が高い
   -演繹的に推測することができる

  地合いへの優位性(外部的優位性):
   -手法がどの地合いおいてどれだけ有効か
   -説明が難しい
   -再現性が低い
   -帰納法的に推測することができる

 「手法自体の優位性はともかく、地合いへの優位性なんてあるの?」と思われる方もおられるかと思いますが、意外とこれが大事だったりします。例えば、巷で流行っているバリュー投資も、下げ相場ではその優位性を失います。リーマン・ショックの最中では、「何これ安い!」で飛びついた結果、どこまでも下がり続けて引退に追い込まれたファンド・投資家も大勢います。
 言い換えれば、手法自体の優位性が低くとも、地合いへの優位性が高ければそれなりの利益がでるということになります。アベノミクス初期であれば、手法はどうあれとりあえずロングしていればそれなりに勝てていましたよね。あんな感じです。

 私個人の経験からすると、大抵話題にされるのは「手法自体の優位性」になります。一方で、「地合いへの優位性」について触れているケースは少ないのではないでしょうか。手法の比較をしている書籍・論文でも、基本的には一定期間でのリターンを比較しているだけで、どういった地合いであれば期待値はどうなるか、という点に踏み込んでいるのはなかなかありません。

 これは何故かというと、前者はある程度の説明・立証が可能であるのに対し、後者はそれが難しいためかと思われます。言語化が難しい分、活用できれば差別化という点での効果は高いのですが、経験に依存してしまう上にどうしてもブレが発生します。

 投資本によっては「多少の負けが続いても諦めずに手法を継続する」といった記載が見かけられますが、これはある意味後者の優位性について考えることを放棄しているとも言えますね。割り切ることが必ずしも悪いことだとは言いませんが。
 
 現在はリーマン・ショック後の崩壊から立て直した上げ相場の真っ最中です。もしこれが転換した時には、これまで有効だった手法のほとんどが死ぬ可能性があります。その時手法を切り替えられないと、今まで得たリターンのほとんどを吐き出して引退に追い込まれる危険性があります。

2015年5月18日月曜日

死にゆく手法と蘇る手法:Part1

■死にゆく手法と蘇る手法

 「年間リターンがマイナスの者だけが株辛いと言いなさい」

 近頃、Twitter上で「最近勝てなくなってきた」「今までと動きが違う」という発言を見かけました。個人的にも、確かに今までとは違った動きが増えてきているように思えます。

 しかし、これまで好調だった投資家の方が勝てなくなるのは何故でしょうか。彼らの手法は既に実績があり、それなりの期間リターンを生み出してきたはずです。そしてこの問題は今勝っている投資家にとっても他人事ではなく、いつか自分の身に降り掛かってくる可能性がある重大な問題です。

 本稿では、手法のリターンの源泉について私個人の考えをまとめたものになります。そのため仮設を立証するだけの確たる材料はありませんし、考慮の余地がかなり存在しておりますことをご了承頂ければと思います。

 また、前回の記事が長すぎたと反省しましたので、適当に分割して記事に致します。投資初心者向けブログを標榜する当サイトとしましては、5分/1記事でサクッと読めるのを目標にします。具体的にはGoogle Document 1ページ分。

 なお今回は、「手法にもトレンドがあり、勝ち続けるためには手法のカーブフィッティングが必要」というお話になります。



■色々な手法
 一口に投資の手法と言っても様々なものがあります。以下、適当に並べてみました。

  ロングオンリー派:「株は買うものであり、これこそが正道」
  ロングショート派:「ロングとショートが組み合わさることで最強に見える」
  長期投資派:「石の上にも3年、ガチホールド」
  デイトレード派:「持ち越しリスクが無いから夜もグッスリ眠れます」
  クオンツ派:「The Truthを求める現代の錬金術士です」
  グレアム型バリュー派:「吸い殻を拾って燃やすお仕事です」
  バリューグロース派:「成長分を考えれば青田買いのチャンス!」
  アービトラージ派:「リスクを取る奴は情弱、フリーランチ美味しいです」
  ブレイクアウト派:「抜けたんやからいくやろ?」

 実際のところ、ブログ・書籍においても戦略と戦術の区別がなされていないことが多く、手法と言っても何を指すのかは人によって異なることが多くあります。実際には、いくつかの特徴を組み合わせて運用しているケースがほとんどですが、一応中核となる原型はそれぞれ存在します。

 今回は個別の手法については触れませんが、投資の勉強をするにあたって、何をやっているのかという点についてのきちんとした理解は必要になります。ファンダ投資家を名乗られている方で、やっているのはどう見てもモメンタム投資でしたという事例は結構見かけますね。

2015年5月17日日曜日

それでもヘッジしたい

■それでもヘッジしたい
 本稿は「リスクヘッジは必要か」の続きになります。

 前回の記事では、「機関投資家は2次元の美少女を追い求めているのでは?」という疑惑が持ち上がりました。もしそれが事実であれば、日頃距離を感じがちな彼らをぐっと身近に感じることができます。しかし、それでは説明がつかないことがありますので、もう少し彼らのやっていることをよく考えてみましょう。
 前回の記事では、単純な値動きだけを見た場合「ヘッジは無駄」というような話になりかねませんでした。今回は見方を変えて、値動きだけではなく、その背後にある「リスク」と「要因」について考えてみます。

 さしあたって結論としましては、「機関投資家は取りたいリスクしか取らない、ヘッジはそのための道具」という話になりますので、記事を読むか、それとも一杯のコーヒーを優先されるかをご判断下さい。



■リスクの細分化
 さて、今回は「リスク」と「要因」がテーマとなります。「リスク」というと、「買った株が下がったらどうしよう」「特損500億を出しやがった!」といったマイナスのイメージが強いかと思われます。しかし実際のところリスクというのは、「自分ではコントロールできないもの」を示すものになりますので、例えば「今日から新サービス始めます」というのもリスクの1つになります。
 「良いことならリスクじゃないでしょ?」と思われる方は、自分がショートしている銘柄で同じことが起きた場合をイメージして頂ければと思います。同じ内容でも、立場が違えば意味が変わりますね。

 さて、リスクと一口にいっても色々ありますが、大きく分けると以下のようになります。この辺は金融工学の本とかでも書かれていますが、要は市場全体が動くリスクと、個別銘柄が動くリスクがあるということです。

   リスク=市場リスク+個別リスク

 とはいえ、これだけでは少々大雑把ですね。個別リスクの方に関して言えばもう少し細かくできそうです。というわけで、リスクを分割してそれを生み出す「要因」にしてみましょう。...いまいち細かくないですが、やり過ぎても仕方ないのでこの辺で留めておきます(´・ω・`)
 
  リスク=市場要因+業界要因+会社固有の要因+需給要因+その他

  市場要因:市場全体を動かす何か、日経平均とかを上下させるので皆が共通する
  業界要因:その会社が営む事業や業界に基づく、同じ事業・業界なら共通する
  会社固有の要因:その会社にしか存在しない、他のどことも共通しない
  需給要因:その会社の株特有の需給、他のどことも共通しない
  その他:色々、上記以外にも考えられる要因、今回は省略

 今回は簡略化のためはしょってますが、これ以外にもたくさんの要因が考えられますので、気になる方は考えてみてください。
 さて、いくつかの要因に分けてみたところ、1つ特徴が出てきたのが分かります。それは「その要因が他と共通するかどうか」という点です。例えば、「市場要因」は全銘柄共通ですが、「会社固有の要因」はその会社にしか存在しませんので、他社がどうあれ影響されることはありません。この点が実は重要で、「他と共通する」=「足したり引いたりできちゃう!?Σ(゚Д゚)」ということに繋がります。
 
 「リスク」または「要因」に関しては、私達がコントロールすることはできません。例えば、もし「市場要因」をコントロールできるのであれば、日経が上がる日に日経先物を全力ロングすれば、誰でもお金持ちになれます。
 このコントロールできないファッキンな要素に罵詈雑言を浴びせるのは簡単ですが、ここは文明人らしく理性的に対処する方法を考えてみましょう。つまり、コントロールできないのであれば、発生しても影響を0にしておくような保険を事前にかけておくということです。



■リスクテイカー(部分的)
 さて、リスクについて考えてみたところ、機関投資家が何をやっているのか、ぼんやりとイメージが出来てきました。つまり、彼らが「ヘッジ」しているのは「値動き」ではなく、「リスク」並びに「要因」ではないかという話です。これであれば、彼らが常にヘッジを入れることに説明がつきますし、彼らが安易に理想の美少女を追い求める夢追い人ではないということになります。では、彼らは何をヘッジしているのでしょうか?

 私達が株をロングする時、通常何らかの理由があってその株をロングします。例えば「この会社の製品は競争力があり、他社よりも大きな成長が望める」といった感じですね。この時、私達がその株をロングする理由は「製品の競争力」になります。言い換えると、日経が上下しようが、この会社の業界がどうなろうがどうでもよく、「同業他社よりもこの会社の製品が優れている」という点に対して私達はお金を投じていることになります。
 私達は必要な部分にだけお金を投じたいわけですから、それ以外の理由で株価が動くのは歓迎しません。日経平均が上下すれば当然買っている株も上下しますが、今回のケースであればその上下は不必要な要素となります。
 
 ここで上記の「足したり引いたりできる」という部分を引っ張ってくるとどうなるでしょうか。不必要でコントロール出来ない要素が存在するなら、事前にこの要素を排除することで枕を高くして眠ることができます。神様に祈るよりも建設的ですね( ・∀・)
 今回の例で言えば、「市場要因」は不必要ですから、日経平均先物をショートすることでこの要因の影響を「ヘッジ」することができます。また、「業界要因」も必要ありませんから、同業他社の個別銘柄のショートを追加して「ヘッジ」するもいいでしょう。そうすることで、最終的には「同業他社よりもこの会社の製品が優れている」という点だけにお金を投じることができます。
 言い換えると、「ヘッジする」という行為は「取りたくないリスクを取り除く手段」であって、「株価が下落した時の保険」とは異なるということになります。これが上手くいった時に「銘柄間の相関のねじれ」が発生します。機関投資家は都合のいい2次元の美少女を探していたのではなく、美少女を創りだしていたということになりますね。アッカシトル!(゚Д゚)

 ただし、ここで1つ問題があります。それは、「共通しない要因」は「ヘッジ」できないという点です。「足したり引いたりする」ためには、それが両方共に存在している必要がありますが、「会社固有の要因」等は「共通して」おらず「引くこと」ができないため、常に残り続けることになります。従って、ヘッジとは万能ではなく、ヘッジできるものとできないものが存在するということになります。
 

■ヘッジ≠高いパフォーマンス
 つらつらと並べてみたところ、機関投資家の行うヘッジとは「ぼちぼち日経が下がりそうだから先物ショートするわ(^o^)」というものではなく、「投資に不必要なものを排除する手段」という感じになってきました。しかし、このヘッジというのは万能の手段というわけではなく、不都合な面が色々とあります。「ヘッジ出来ない要因」もその1つですが、他にも「ヘッジにはコストがかかる」という問題が存在します。
 例えば「市場要因」をヘッジした場合、当然ながらそこから得られたかもしれない利益も0になります。従って、何も考えずにロングだけを持った人と、ヘッジを入れた人を比べた場合、利益の最大値は通常前者の方が大きくなります。つまり、うまくいくことしか考えない場合、ヘッジとは余計な出費でしかありません。
 
 ではなぜ機関投資家がそんなことをするのかと言えば、それは彼らがうまくいかなかった場合を想定してポジションを取っているからですね。個人投資家であれば「-50%の含み損ですがガチホールドです☆(ゝω・)v」と言っても誰からも文句はでませんが、機関投資家がそんなことを言った日には即ファンド閉鎖となるでしょう。
 こういった制約のもとポジションを取った場合、損失が限定される一方で、どうしても利益も小さくなります。その結果、個人投資家勝ち組のリターン>ヘッジファンドのリターンという図式が出来上がることになります。
 
 別の記事で、ファンドは運用資産額とも戦っているという話をしましたが、この戦いの影響がリスク回避の方向に舵を切らせている面もあります。出資者からすれば、リターンは大きいけれど時々大損をぶっこくファンドよりも、ひたすら地道にじわじわ増えていくファンドの方が安心して持ち続けることができます。
 そして、それは運用資産額を増やさないと死んでしまうヘッジファンドの都合とも一致しており、結果としてリターンを減らしてでもリスクを減らす運用に繋がります。

 以上をまとめると、ヘッジするなら「自分が何に投資をしているのか」をはっきりさせる必要があり、そしてヘッジには「不必要なものを排除する」のに必要な要素をもったものを探し出す必要があります。よく考えなくてもこれがどれだけ大変なことかはご理解頂けるかと思います。
 こういった背景を考えると、前回の記事で言った「とりあえずポジ減らせ」というのがあながち馬鹿にした話ではなくなってきます。ただし、同時に都合の良い美少女の作り方(基礎)も分かりましたので、後はこれをどうやって精度よく実行していくのかというところです。

 流石に長くなりすぎたのでこの辺りで終わりとさせて頂きますが、本稿を読まれた方がヘッジを入れる際に何かしらの参考になれば幸いです。

2015年5月16日土曜日

ヘッジファンドのオチンギン

■ヘッジファンドのオチンギン
 今回はヘッジファンド・ファンドマネージャーの収入について書いてみます。前回の記事の続きを書いてもいいのですが、真面目な記事を書いた後なので適当な内容を書きたくなりました。前回の記事以上に中身がないので、気になる方はこの記事を読むよりは適当にググった方がいいと思います。

 個人投資家にとって、ヘッジファンドと言えば憧れの対象であるとともに、「またGSか!」といったようにヘイトの溜まる存在でもあります。そしてファンドマネージャーと言えば、学ぶべき先人であるとともに高給取りの代名詞でもありますので、妙齢の女性からも熱い視線を注がれる存在となっております。

 一般的な認識としては、ヘッジファンド・ファンドマネージャーというのは他の職業をはるかに凌駕する収入を得ていると思われていそうですが、実際のところ本当にそこまで割りのいい仕事なのでしょうか?掘り返したところで個人投資家には意味のある内容ではありませんが、物事の見方の1つとしてちょっと考えてみましょう。また、何分クローズドな部分が多いため、私個人の偏見が多分に含まれた内容となっておりますのでご注意下さい。

 なお、毎度のごとく結論を先に言ってしまいますと「ヘッジファンドは市場だけではなく、運用資産額とも戦っている」という話です。


■ヘッジファンドの収入
 ヘッジファンドの収入は大きく分けて、マネジメントフィーとインセンティブフィー(パフォーマンスフィー)の2つがあります。マネジメントフィーは、文字通り管理している資産の額に比例して得られる収入で、一般的には運用資産額*2%となります。インセンティブフィーは、得られたリターンに対して一定の割合を頂きますという収入で、こちらは20%が一般的かと思います。インセンティブフィーの方はファンドの基準価格をもとに、High Water Markつまり過去の基準価格を上回った分だけが支払い対象となります。要は「稼げない奴に払う金はねぇよ( ゚д゚)、ペッ」という話ですね。

 もちろんファンドによってはもっと低い数字を出しているところもありますし、逆に過去の実績が素晴らしいところであればもっと大きな報酬をとっているところもあります。ただし、そういうファンドはごく一部の富裕層にしか話を出さないため、私達が詳しい情報を得るのは難しいのが現状です。
 
ちなみに、最近発表されたヘッジファンドマネージャーの報酬ランキングでは、1位がCitadelのKenneth Griffin氏で年収13億ドルとなっておりますスゲェ( ・∀・)



■意外とかつかつ
 とりあえず今回は一般的な2-20を基準に考えてみましょう。仮に運用資産額(AUM)が100億で年のリターンが+10%であれば、マネジメントフィー2億+インセンティブフィー2億がファンドの収入となります。これだけを見ると、確かになかなかの収入です。しかし、これはあくまでもファンドに支払われる金額です。日頃損益計算書を見ている人であれば、「で、原価や管理費はいくら?」という問題に気づくでしょう。

 ざっと考えただけでも、ファンドが払わなくてはいけないお金は色々あります。
・ファンドマネージャーの給料
・アナリスト・トレーダー等の運用周り担当の給料
・バック・ミドルオフィス担当の給料
・営業担当のお給料
・オフィス、PC、トレーディングシステム等の設備費用
・アドミニストレーター(ファンドの監査法人みたいなの)への支払い
・etc
 
 基本的には人件費の割合が大きいビジネスになりますね。加えて、基本給と成果報酬が大きい業界でもありますから、人材を引き止めるためにケチることもできません。仮に、ファンドマネージャーにマネジメントフィー1%、インセンティブフィー10%を取り分とした場合、ファンドの手元に残るお金はいきなり半分になりますアラマァ(゚Д゚) 
 ファンドマネージャー側から見てみると、100億運用して高いパフォーマンスも出した結果ですから、得られた1億+1億という金額に対して、「少ない」と言うことはあれ「多すぎる」とは言わないでしょう。まあ「1%も貰ってねえよ!」というファンドマネージャーはいるでしょうが。なお、当然ながら割り当てられている運用資産額が減ると、基本給も減りますしインセンティブフィーの絶対額も減ります。

 上記の例であればインセンティブフィーが発生しているので余裕がありますが、これでもし年間リターンがマイナスだとマネジメントフィーだけでやりくりしなくてはならず、結構カツカツの状態になってきます。


■Fight the 固定費
 「人減らせばいいんじゃない?」と思われる方もおられるかと思いますが、ファンドマネージャーは必要ですし、運用周りの人員を減らせば肝心の運用に支障が出ます。バック等の人員を削ることは一応可能ですが、ファンドの損益管理や約定周りの処理がきちんと行われないと、いつか大きな問題が発生します。某C社とかだと、「Confirmationがこない」「約定価格がおかしい」「OTCものが3週間たってもSettleされんぞクソガッ!(# ゚Д゚)」とか聞きますし。そもそもファンド出資者への報告内容が適当だとすぐに解約されてしまいます。「リターン良かったのは単なる計算ミスでしたテヘペロ(・ω<)」では許されませんよね。

 こうしてみると、運用資産額が一定の水準を超えないと、損益分岐点を超えるのが結構きつい感じですね。まるで工場を抱える製造業みたい。運用資産20億とかだとファンドマネージャー1人+バック・ミドルオフィス担当1人とかが精一杯そう。運用資産額に比例して収入が増えるビジネスですから、お賃金や会社の拡大のためにはどうしても運用資産額を増やす努力が優先されます。「金が集まりすぎたからもう締め切るわ」というヘッジファンドがある一方で、運用資産額を増やさないと潰れるところがあるのが実情です。
 またシステム周りの費用も意外と馬鹿にならず、小さめの投信が某N社系列のトレーディングシステムを使ってたら、それだけでマネジメントフィーが吹っ飛んだ等という話も聞かれます。
 一方で、この損益分岐点を超えることができれば、あとは固定率のインセンティブフィーしか増えませんので利益がドカッと出る事業形態です。また事業への投資が基本人材採用のため、固定費の増加もコントロールがきき、ある程度は変動なしで継続することも可能です。ますます製造業じみてきましたね。

 濡れ手に粟商売かと思われたヘッジファンドですが、意外と生き残るのが大変そうです。

 余談ではありますが、この点を頭にいれておくと、ヘッジファンドの運用資産額と人員増加タイミングを見れば、そこのヘッジファンドがどの程度利益が出ているのかが推測できます。暇でしたらレオスとかでやってみると面白い結果になるかもしれません。


■運用資産額はどのくらい
 上記の例では運用資産額100億としましたが、現実的にこの規模の資金を集めるのは結構大変です。「ヘッジファンドやるから100億出してくれ(^ω^)」でお金を出してくれるお金持ちはいませんし、もしいたら私にも紹介して頂きたいです。
 レオスがこの前運用資産1000億突破の話をしていましたが、国内であれば数百億前後が一番集中しているラインかと思われます。もしかしたらアベノミクス効果で、中央値はもっと上がっているかもしれません。MAM(Melco Capital含む)とかも結構大きいのですが、あの辺りは大会社直下だったりクローズドだったりで情報が出ないのでここでは省略させて頂きます。
 一応Webページがあって日本人系のヘッジファンドであれば、EpicやStats、Kimco等があります。ただ、一部はシンガポールに拠点を移していたりしますので、これまた事情が異なったりします。

  Epic:http://www.epic-partners.jp/
  Stats:http://www.stats.co.jp/index.html
  KIMCO:http://www.kimco.com.sg/index.html

 実際のところ、数千億~数兆円クラスのヘッジファンドとなると、どうしてもアメリカ様のお話というのが現状で、日本系列だともっと規模が小さくなってしまいます。また本場のアメリカ様でも、ヘッジファンドは潰れてまた出来てというのを結構繰り返しており、ちっちゃなファンドはそれこそ数年で潰れるのが珍しくありません。「利益が出なくても続けていればいつかは..」というのも考えられますが、ヘッジファンドは基本他の方の資金を運用する以上、パフォーマンスが悪ければあっさり解約されますので、そもそも「続ける」ことができません。

 加えて、バーゼルⅢ対応の影響で、小さなヘッジファンドはPrime Broker(個人でいうところの証券会社みたいなの)との契約を打ち切られていますので、「そもそも事業を始められない」という状態に追い込まれつつあります。うーん先行き厳しい。

 以上、色々と書いてみましたがびっくりする程中身がないですね。「おそらく」とか確証のない数字ばっかり。とりあえず「ヘッジファンドは市場だけではなく、運用資産額とも戦っている」くらいに思って頂ければ思います。

2015年5月15日金曜日

リスクヘッジは必要か

■リスクヘッジは必要か
 このごろ、Twitter上で「日経が落ちそうなので日経インバース買いました」「先物ショートしてヘッジしました!」といった発言が目に留まるようになってきました。
 一昔前であれば、個人投資家が指数を触ったりヘッジを入れたりすることはあまりなかったのではないかと思いますが、アベノミクスが始まって数年が経過した昨今、個人投資家のレベルも上がってきたのだと認識させられます。

 投資家にとって資産の減少はなんとしても避けたいものですから、ヘッジを入れて損失が発生しないように対処することは大変素晴らしいことです。しかし、果たしてヘッジは本当にうまく機能するものなのでしょうか。本稿では、ヘッジが上手くいくために必要な条件を改めて整理してみたいと思います。

 なお結論だけ先に言ってしまいますと、「ヘッジはもの凄く難しいので、こんなことやるくらいなら素直にポジションを減らしましょう」という話になりますので、「役に立たねぇ!」と思った方はブラウザを閉じて値上がりランキングでも眺めましょう。



■求めていたのは理想の美少女
 さしあたって本稿では、話を単純にするためにメインのポジションは株のロングのみ、ヘッジは株のショートのみ、両方の株価は同じとして話を進めます。
 なお、ちゃんと勉強している方からすれば「~の場合は違うよね」と思う箇所があるかと思いますが、極力単純化した話だということをご了承下さい。

 ロングしている銘柄をA、ヘッジとしてショートしようとしている銘柄をBとします。私達がヘッジを入れる理由は、個別の銘柄の動きがどうあれ利益を増やし続けることです。従って理想的なAとBの値動きは「Aが上がってもBはさほど上がらず、Aが下がるとBはそれ以上に下がる」という形になります。Aの株価変動を横軸、Bの株価変動を縦軸として、私達が期待する株価の動きをグラフ化したのが下記になります。





 はい、もうこの時点で何かおかしいですね。普通、ヘッジを入れる場合には、AとBの相関を見てヘッジ対象の銘柄を選びます、なぜならAの値動きにBが連動してくれないと、何かあった時ヘッジにならないからです。しかし、下図ではその肝心の相関がねじ曲がっています。ざっくり言うと「普段はこっちのことを歯牙にもかけないのに、風邪を引いたら家に乗り込んで看病してくれる美少女」みたいな大変都合の良い存在です。そんなの2次元にしかいねーよ(´;ω;`)

 問題がもう1つ、もしこのグラフがきれいな線形になった場合、AとBのポジションが同じなら結果的に得られるリターンはAの値動き-Bの値動き*連動率となります。あれ?それって単にB*連動率だけAのポジションを減らしたのと一緒ですよね?それならAのポジションを減らしただけの方が、相関とか考えなくていいのでは?ヘタをしたらAの株価が上がっているのにBがもっと上がって、トータルでは含み損になってしまいます。
 「それなら連動率の分だけBの銘柄のポジションを調整すればいい」というのも1つの答えですが、そうした場合A値動き-Bの値動きは0になります。両建てしているのと一緒ですね。全部売れや。



■ヘッジするとなぜか損失が拡大する
 上記では、単純に値動きだけの比較で問題点を考えてみましたが、もう少し違った角度から考えてみましょう。仮にAとBを同量の保有していた場合、ネットエクスポージャー(ロングポジ-ショートポジ)は0になりますので、一応表面上はリスクにさらされているポジションは0になります。
 しかし、グロスエクスポージャー(ロングポジ+ショートポジ)で見た場合、Aを単独で保有しているのに比べてA+Bの2倍ものポジションを抱えていることになります。つまりリスクにさらされているポジションが2倍に増えたというわけですね。アレ?(゚д゚)
 
 この部分に関しては、まじめに考えると長くなりますのでここでは一端省略させて頂きます。とりあえず明らかなのは、ヘッジというポジションを増やしているのですから、うまくいかない場合にはその分だけ損失が拡大するということです。損失を減らすためにヘッジをやっているはずが、いつの間にか追加のリスクをとっていることには注意が必要です。




■機関投資家は2次元の美少女を求めているのか
 ここまでの話を総括すると「ヘッジを入れるだけ無駄」という風になってしまいます。しかし現実的には、プロフェッショナルである機関投資家勢は、必ずといっていいほどヘッジを入れています。これはなぜなのでしょうか?彼らが2次元の美少女を追い求めているというなら納得できますが、彼らの全てが2次元好きであるとは考えられません。また、もし恒常的にそんな美少女を得る方法があるのであれば、なんとしてもそのやり方を学び取りたいものです。

 その部分を真面目に考えるためには、株価の動きというものをもう少し細かく考えてみる必要があります。つまり、彼らがヘッジしているのは表面的な株価の動きではなく、その要因となっている別のものであると考えてみましょう。

 長くなりましたのでここらで終わりとさせて頂きますが、結局のところ本稿での話は、「上手くやれる自信がないのであれば、ヘッジを入れるよりポジを減らしたほうが安全」という結論となります。次回があれば「ヘッジを上手くやるためにはどうしたらいいのか」ということについて考えたいと思います。
 


ブログ始めました

何事も経験と思い、ブログを初めてみました。

基本的には自分用の備忘録や妄想メモ、知り合いへの投資の説明用だったりするので、あんまり大した内容ではありません。

投資ブログではありますが、個別銘柄について書くことはあまりないです。

なんのためにやってんだと言われそうですが、どこまで本気でやるかも含めての実験だと思って頂ければと思います。