昨今の機関投資家業界では、アクティブ運用からパッシブ運用への傾倒が激しくなっております。アクティブの大半は指数にアンダーパフォームするとか、手数料が高すぎるとか、長期的に見れば指数を持ち続けるのが一番いいとか散々言われ、資金流出からコストカットのリストラを実施するファンドや閉鎖するファンドも後を絶ちません。
個人的な感想としては、リーマンショック後に長期的な金融緩和が実施されてたんだからヘッジ付きの分だけアンダーパフォームするのは当然だろとか、アクティブが頑張ってるからパッシブが数字出せるんだろこのフリーライド野郎!とか、そもそもパッシブ運用は100%指数にアンダーパフォームするだろオラッ!とか、トランプ効果で上に突き抜けたところで金融緩和が終了して引き締めに入ってるのにここから指数買うのかよ!とか思わなくもないですが、目の前の現実は如何ともし難いものがあります。
というわけで、今回はこの大パッシブ時代における注意点でもメモっておこうかと思います。いつも通り単純化した話で、自分用なので色々端折ってますが、そこは行間を読んで頂けますようよろしくお願いします。補足はしません(*‘ω‘ *)
■メモ
・パッシブ傾倒による注意点
-投資資金の流入出の縮小
:個別→指数はあっても、指数→個別はない
-指数構成からどれだけ弄るかといった、従来のPFマネジメントはゴミ箱へ
-平時のリバランス額の縮小
:個別銘柄ごとのリバランスが発生しない
-アセットアロケーションの影響
:アセットとして単純化したため、他の資産の変動による影響を受けやすい
・アクティブ→パッシブの効果
-指数の上昇圧力と維持効果
:個別銘柄に分散していた資金が指数に集中する
:日銀のETF買い入れに近い効果が発生する
:ある程度の水準からは、上値が重くなって下値が固くなる
-指数に採用されるかどうかで、銘柄の値動きが大きく変わる
-トレンドの長期化
-個別銘柄のバリュエーションの無視が拡大
・影響と動き
-全体のボラの低下、βの死亡
-指数が飛んでもボラが加速しない
-株指数が下がるとリバランスで買われる
-アクティブ資金の小型銘柄への流入
:大型はバリュエーションの無視で触れなくなる
-個別銘柄間のボラの差が拡大
■いつ死ぬか
個人的に、今のトランプ相場での指数が崩壊するとしたら、高くなりすぎた株からの別の資産への移動、または別の資産が崩壊したことによるリバランスに巻き込まれるパターンかと思います。アクティブ死亡によるパッシブの前提崩壊とかもありえますが、こちらは5-10年位待たないといけない感じがするので、当面は考えなくてもいいかと思います。
実際、最近ファンドの偉い人達が「株高すぎやねん」と言い出してますので、ぼちぼち他の資産への資金流出が起きそうかなと思って眺めてます。大口機関投資は株だけ持つということはありえませんので、この動きは資産管理上としては合理的な判断ですが、その合理的な判断に従ってやらかしてくれるんじゃないかと期待してます。いいからやれ早くやれ。
今逃げ始めてるところは逃げ切れると思いますが、最近まで株買ってたようなところは取り残されると思いますので、潮が引いた時に誰が裸で泳いでたのか楽しみにしたいと思います(^q^)
とはいえ、40年くらい前に初めて指数連動型ファンドが出た時も似たような動きをしてますので、時代が循環してるだけと言われるとまぁそんなものですよねという話ではあります。