2017年1月14日土曜日

業界の構造変化(2/2)

■注意点
 なお諸注意としましては、ニュース等の記載では「クオンツ運用を開始 or シフト」とかいう言い方が散見されますが、正直ここで言うクオンツはそれぞれ全くの別物であるケースが多くあります。クオンツといっても宗派によってやることが大きく分かれ、数字という神様を信仰している以外は共通点も微妙だったりします。
 ファクター見てる人やマイクロストラクチャー見てる人、アブアブしてる人は見ているデータもモデルも異なりますし、「俺の方が神の声を正しく聞ける」と殴り合いを始めることも珍しくありません。キリスト教みたいなものですね。

 日本であるHFT諸悪の根源論みたいなもので、中身を知らない人からすると違いが分からないから取り敢えずひとまとまりにされることが多くあります。三昔くらいであれば「えー、クオンツなのにロケットも飛ばせないんですかー?(^q^)」とか言っても許されたかと思いますが。


■変化の影響
 じゃあ、こういった機関投資家の構造変化が起きると、市場の動きはどうかわるのかという話が問題になります。

 機械的・汎用的な運用が増えた場合の傾向として、モデルベースでの売買が増加するため、個別一本釣りというよりは、ある程度ひとまとまりのPFが増加することになります。あのファクターにベットしてA+B+Cをまとめてロングといった話ですね。その結果、なんでこの銘柄が上がるの?といった動きが増えるのがまず想像できます。
 加えてモデルベースのトレードの比重が上がると、ポジティブフィードバックがきつくなるという傾向もあります。皆同じ論文・モデル使ってるせいで、一度トリガーに引っかかるとどこまでもいくあれですね。最後はだいたい仲良く皆沈む訳ですが、それまではやたらとトレンドが継続します。

 また、運用のボラ縮小やETFへの資金増加が起きると、当然ながら今までよりも個別・指数のボラが低下します。動かすお金が大きいからこそボラが拡大するわけで、肝心のお金が減少すれば市場に与える影響も自然と低下します。2013-2015年あたりの日本市場は、何かあると簡単に吹っ飛んでましたが、2016年後半だと動かなさすぎてやることないわ...という日がかなりありました。
 ただこちらに関しては、皆が同じ方向を向くと一気に吹っ飛ぶ→でも長続きしないという面が強化されます。平均は低下しても、分散が拡大するやつです。特に日本市場では日銀様が大暴れしている点もあり、更にこういった傾向が強化されています。

 他にも色々考えられることはありますが、紙面が足りないので省略。

 上記の特徴を大雑把にまとめると、「今までとは異なる動きが増える」、「ボラが加速しない」、「一部のトレンドはやたら継続する」という、直近数年のイメージだけでやってると沼にハマりそうな内容になります。また、この動きに慣れすぎると握力が悪い意味で鍛えられてしまうといった弊害もあります。


■最後に
 こんな感じで2016年から徐々に顕在化してきた市場の変化が、無視できないレベルどころか更に加速するんじゃないのというのが個人的な見通しになります。とはいえ、こういった変化自体は昔からよくあるもので、むしろ変化に合わせられるかどうかが投資家としての能力ではないでしょうか。Twitterとか見てると、動き方に文句を言う人が増えているようですが、いくら文句を言っても建設的ではないので前向きに取り組んでいきましょう(*´ω`*)

 今回の記事は、文字数の都合で色々と説明を端折ったり、面倒だから飛ばしたりしている部分が多分にあります。もし、「この辺の説明が繋がってない」とか「ここの説明を詳しく」という方がおられましたら、下記Webサイトに豊富な説明資料がありますのでご参照下さい。

 http://www.ndl.go.jp/

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